粒子法

基礎と応用

ダイナミックに変形する運動体の解析に有用な粒子法の入門書.はじめて学ぶ人にも理解できるよう丁寧にまとめられている.

粒子法
著者 矢川 元基 , 酒井 譲
ジャンル 書籍 > 自然科学書
刊行日 2016/11/29
ISBN 9784000061506
Cコード 3053
体裁 A5 ・ 並製 ・ 120頁
定価 4,400円
在庫 在庫あり
従来の有限要素法では困難だった,ダイナミックに変形する運動体の解析に力を発揮する手法として発展した粒子法に関する初の入門書.特にこれまでまとまった解説のなかったSPH法を中心に記述する.従来の手法との発想の違い,解析法の要点など,はじめて学ぶ人にも理解できるよう丁寧かつコンパクトにまとめられている.


■著者からのメッセージ

 1970年代において,宇宙物理学の研究者によって誕生した粒子法は,その分野の有力な解析手法として発展してきました.この手法が流体問題のみならず固体解析,熱伝導解析などにも有効な手法であることが明らかとなり,また,そのメッシュレス性も注目され,工学者の間でも盛んに研究や開発がなされるようになりました.これまでの手法では難しかった多くの複雑な問題についても有効となることが示され,最近では有限要素法や差分法と並ぶ有力な解法として注目を浴びる存在になっています.
 本書は,計算科学の分野での新しい解析手法である粒子法,特にSPHと呼ばれる方法について解説した本です.本書は,熟練した研究者を読者として想定したものではなく,粒子法がどのようなものなのかをとりあえず知りたいという研究者や技術者を念頭に置いて書かれた入門書です.そのために,本書は,初心者にも理解しやすいように記述されています.難しい理論の紹介はできるだけ少なくし,粒子法の全体像をまず理解していただくことを優先しています.
――本書「はじめに」より
はじめに
第1章 粒子法とは
第2章 差分法と粒子法
第3章 粒子法の理論(その1)
第4章 粒子法の理論(その2)
第5章 固体解析の実際
第6章 流体解析の実際
第7章 粒子法の展開
第8章 結び
付 録
参考文献
索 引
矢川元基(やがわ げんき)
東京大学大学院工学系研究科修了(工学博士).
東京大学教授,東洋大学教授,日本学術会議会員,日本応用数理学会会長,日本シミュレーション学会会長,国際計算力学連合会長などを経て,現在,東京大学名誉教授,東洋大学名誉教授,東京理科大学客員教授.
主著:『計算固体力学』(共著,岩波書店,2005),『計算力学』(共著,岩波書店,2005),『計算力学ハンドブック』(共編,朝倉書店,2007)ほか.

酒井 譲(さかい ゆずる)
東京大学大学院工学系研究科修了(工学博士).
横浜国立大学教授を経て,現在,横浜国立大学名誉教授.
主著:『初めて学ぶ情報リテラシー』(監修,養賢堂,2002).

書評情報

計算工学 Vol.22 No.3(2017年)
ページトップへ戻る