シリーズ ここで生きる

いのちの場所

いのちの不条理をどう考えればよいか.著者は山深い森を出ていのちの在りかを探す旅に出る.深く静かな思索.

いのちの場所
著者 内山 節
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
シリーズ シリーズ ここで生きる
刊行日 2015/10/28
ISBN 9784000287302
Cコード 0336
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 188頁
定価 2,200円
在庫 在庫僅少
自分のいのちは自分だけのものだと考えると苦しくなる.死んだら全てがなくなってしまうのか.なぜこの世には不平等な生があるのか──.著者は山深い森から出発し,西洋哲学と仏教思想を導きの糸に,いのちの在りかを探す内なる旅に出る.そして,自分のいのちは自分だけのものではなく,他者や自然や,思いを寄せる人々と共有しているものなのだと発見していく.深く静かな思索.

■編集部からのメッセージ

本書は,哲学者の内山節さんの「いのち」についての思索です.「いのち」はどこにあるのか,心臓か,頭か,それとも……という問いを出発点に,その問いは,現代の私たちがなぜ,他者とのつながりを断たれた孤独な生を生きているのか,という問題に煮詰まっていきます.なぜ不幸な生を生きる人がいるのか,死んだらすべてがなくなってしまうのか──.本書の「いのち」は,生物学的な生命のことではなく,生きることの意味,死生観と密接な関わりを持ったものです.それぞれの孤独な「いのち」に閉じ込められた苦しさをひらく手がかりとして,内山さんは,一方でショーペンハウエルや仏教思想を,もう一方で,内山さんが足場を置く群馬県上野村の人々の描写を往還しながら考えを紡いでいきます.しみじみ,ゆっくり読みたい一冊です.
内山 節(うちやま たかし)
1950年東京生まれ.哲学者.1970年代に入った頃から,東京と群馬県上野村との二重生活をしている.現在,NPO法人・森づくりフォーラム代表理事など.
著書に『労働過程論ノート』(田畑書店),『哲学の冒険』(毎日新聞社),『自然と人間の哲学』『時間についての十二章』(以上,岩波書店),『森にかよう道』『貨幣の思想史』(以上,新潮選書)など.主要著作は『内山節著作集』(全15巻,農文協)に収録されている.
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