岩波テキストブックスα

現代を生きる日本史

大化改新から沖縄返還まで,親しみやすい叙述に最新研究を盛り込んで描き出す,斬新な「教養の日本史」.

現代を生きる日本史
著者 須田 努 , 清水 克行
ジャンル 書籍 > 単行本 > 岩波テキストブックス
シリーズ 岩波テキストブックスα
刊行日 2014/12/04
ISBN 9784000289146
Cコード 3321
体裁 A5 ・ 並製 ・ カバー ・ 228頁
定価 2,530円
在庫 在庫あり
ひたすら暗記の「受験日本史」でもなく,専門分化しすぎて難解な「日本史研究」でもない,面白くて斬新な「教養の日本史」へ.親しみやすい叙述に最新の研究成果をふんだんに取り入れ,各時代の特質とそこに生きた人々の姿を鮮やかに描き出す.この一冊で大化改新(645)から沖縄返還(1972)までを通覧できる,画期的な日本史テキストの誕生!

■著者からのメッセージ

みなさんが経験してきた日本史の勉強は,もっともつまらない修行と言ってもいいかもしれません.答えが決まっているのですから.しかし,歴史学とは史料・データから歴史的事実を確定し,その断片から当時の政治・社会の特質や,人びとの考えなどを浮かび上がらせ,そこから現代社会を問い直すというものであり,逆説的に言うと,過去の事象から,現代社会がかかえる問題点を探り出す,という学問なのです.
 本書は,大学生に歴史認識,歴史を学び解釈する中から現代社会を考え直すセンスを身につけてもらうことと,学校現場の先生や社会人が日本史研究の現状を教養として学び,活用してもらいたい,との意図で作成しました.政治史ではなく,社会・文化史を意識したトピックを中心に叙述してあります.楽しみ,考えていただけると思います.
須田 努(第7章~第12章,終章を担当)

 本書では,著名な歴史上の人物の事績や制度の変遷をたどる「教科書」風の叙述スタイルはあえてとらず,できるかぎりその時代を生きたふつうの人々の視点から日本史を描くことを心がけました.また,著者が読者を「教えみちびく」のではなく,著者と「いっしょに考える」というスタイルにも,それなりにこだわってみました.等身大の「ひとごとでない歴史」を知ってもらうことで,読者のみなさんに歴史の面白さや,深刻さを受けとめ,次の新しい「歴史の参加者」になってもらいたいと思います.
清水克行(第1章~第6章,終章を担当)
須田 努(すだ つとむ)
1959年生まれ.明治大学文学部卒業.早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了.博士(文学).現在,明治大学情報コミュニケーション学部教授.専攻は日本近世・近代史,民衆運動史,社会文化史.
著書に『「悪党」の一九世紀』(青木書店),『暴力の地平を超えて』(青木書店),『イコンの崩壊まで』(青木書店),『幕末の世直し』(吉川弘文館),『逸脱する百姓』(編著・東京堂出版),『比較史的にみた近世日本』(編著・東京堂出版),『薩摩・朝鮮陶工村の四百年』(編著・岩波書店)などがある.

清水克行(しみず かつゆき)
1971年生まれ.立教大学文学部卒業.早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学.博士(文学).現在,明治大学商学部教授.専攻は日本中世史,社会史.
著書に『室町社会の騒擾と秩序』(吉川弘文館),『喧嘩両成敗の誕生』(講談社),『大飢饉,室町社会を襲う!』(吉川弘文館),『日本神判史』(中公新書),『足利尊氏と関東』(吉川弘文館)などがある.
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