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2022.11.07
破綻するアメリカ
これまで築いてきた自由・平等・民主の伝統を崩し孤立主義の道を歩みつつあるアメリカの,破綻へのシナリオ.
著者 | 会田 弘継 著 |
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通し番号 | 110 |
ジャンル | 書籍 > 岩波現代全書 > 政治・経済・現代社会 |
刊行日 | 2017/12/21 |
ISBN | 9784000292108 |
Cコード | 0331 |
体裁 | 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 282頁 |
定価 | 2,750円 |
在庫 | 在庫あり |
トランプ政権はこれまで築いてきた自由・平等・民主の伝統を崩して孤立主義の道を歩みつつあるように見える.その傾向は政治経済・文化・思想・メディアの各位相で進行する根深いもので,一過性のものではない.超大国であるだけに影響は甚大だ.何が起こっているのか.トランプ現象の背景と深層から探る破綻へのシナリオ.
序 章 アメリカ衰退論の中で
1 デキウス論考の衝撃
2 アメリカは衰退したのか
3 アメリカ衰退論の特徴
4 アメリカ衰退論とトランプ政権の誕生
第1章 トランプ誕生の経済的背景
1 消えたアメリカン・ドリーム
2 産業構造の変化と賃金格差
3 中産階級ラディカル
4 二一世紀の階級社会
第2章 トランプ誕生の思想史的背景
1 トランプ現象を読み解く――フランシスとバーナム
2 保守主義運動の異端
3 JAG の結論
4 文化的反動現象
5 「科学主義」と「歴史主義」への批判
6 南北戦争直前
7 フクヤマの主張
8 「白い屑」
9 二大政党の転換
10 トランプ現象の思想的背景
第3章 策士バノンとオルタナ右翼
1 オルタナ右翼の成立
2 トランプ―バノン―オルタナ右翼
3 バノンの思想的背景と世界観
4 トランプ主義を支えるバノンのメディア戦略
5 オルタナ右翼の系譜とトランプの勝利
6 オルタナ右翼に連なる知識人
第4章 多様性の発展と矛盾――多文化主義・PC論争
1 自滅したリベラル?
2 人種平等と移民受け入れ
3 アイデンティティ・ポリティクスの行き詰まり
4 イェール大学ハロウィン祭り事件
5 過剰なPCとしてのアイデンティティ・ポリティクス
6 多文化主義としてのPCに揺れるアメリカ――シュレジンガー『アメリカの分裂』
7 多文化主義批判の源流としての文化相対主義批判――ブルーム『アメリカン・マインドの終焉』
8 PCと多文化主義の脅威に分裂するアメリカ
第5章 戦後アメリカ保守思想――興隆から危機へ
1 トランプを支える保守思想家
2 リバタリアニズムとアメリカ保守思想――ハイエク
3 伝統主義とアメリカ保守思想――ラッセル・カーク
4 フュージョニズムのなかのハイエク,カーク論争
5 保守合同を支えた雑誌メディア
6 ネオコンの登場
7 リバタリアン,伝統主義者にネオコンが合流
第6章 戦後アメリカ保守思想――分裂から破綻へ
1 ブキャナンからトランプへ
2 ネオコン,保守思想派で勝利――湾岸戦争
3 「小さな政府」と「内向き」志向――クリントン政権
4 「偉大なる国家」をめざすPNAC――ブッシュ政権と九・一一
5 ネオコンとシュトラウス思想――イラク戦争
6 保守思想運動崩壊からティーパーティー運動へ――オバマ政権
7 複雑な破綻に直面するアメリカ――トランプ政権
あとがき
注
1 デキウス論考の衝撃
2 アメリカは衰退したのか
3 アメリカ衰退論の特徴
4 アメリカ衰退論とトランプ政権の誕生
第1章 トランプ誕生の経済的背景
1 消えたアメリカン・ドリーム
2 産業構造の変化と賃金格差
3 中産階級ラディカル
4 二一世紀の階級社会
第2章 トランプ誕生の思想史的背景
1 トランプ現象を読み解く――フランシスとバーナム
2 保守主義運動の異端
3 JAG の結論
4 文化的反動現象
5 「科学主義」と「歴史主義」への批判
6 南北戦争直前
7 フクヤマの主張
8 「白い屑」
9 二大政党の転換
10 トランプ現象の思想的背景
第3章 策士バノンとオルタナ右翼
1 オルタナ右翼の成立
2 トランプ―バノン―オルタナ右翼
3 バノンの思想的背景と世界観
4 トランプ主義を支えるバノンのメディア戦略
5 オルタナ右翼の系譜とトランプの勝利
6 オルタナ右翼に連なる知識人
第4章 多様性の発展と矛盾――多文化主義・PC論争
1 自滅したリベラル?
2 人種平等と移民受け入れ
3 アイデンティティ・ポリティクスの行き詰まり
4 イェール大学ハロウィン祭り事件
5 過剰なPCとしてのアイデンティティ・ポリティクス
6 多文化主義としてのPCに揺れるアメリカ――シュレジンガー『アメリカの分裂』
7 多文化主義批判の源流としての文化相対主義批判――ブルーム『アメリカン・マインドの終焉』
8 PCと多文化主義の脅威に分裂するアメリカ
第5章 戦後アメリカ保守思想――興隆から危機へ
1 トランプを支える保守思想家
2 リバタリアニズムとアメリカ保守思想――ハイエク
3 伝統主義とアメリカ保守思想――ラッセル・カーク
4 フュージョニズムのなかのハイエク,カーク論争
5 保守合同を支えた雑誌メディア
6 ネオコンの登場
7 リバタリアン,伝統主義者にネオコンが合流
第6章 戦後アメリカ保守思想――分裂から破綻へ
1 ブキャナンからトランプへ
2 ネオコン,保守思想派で勝利――湾岸戦争
3 「小さな政府」と「内向き」志向――クリントン政権
4 「偉大なる国家」をめざすPNAC――ブッシュ政権と九・一一
5 ネオコンとシュトラウス思想――イラク戦争
6 保守思想運動崩壊からティーパーティー運動へ――オバマ政権
7 複雑な破綻に直面するアメリカ――トランプ政権
あとがき
注
会田弘継(あいだ ひろつぐ)
1951年埼玉県生まれ.東京外国語大学英米語学科卒業後,共同通信社入社.ジュネーブ支局長・ワシントン支局長・論説委員長などを歴任,現在,共同通信社客員論説委員,青山学院大学地球社会共生学部教授.著書に『増補改訂版追跡・アメリカの思想家たち』中公文庫,2016年,『トランプ現象とアメリカ保守思想――崩れ落ちる理想国家』左右社,2016年,『戦争を始めるのは誰か――湾岸戦争とアメリカ議会』講談社現代新書,1994年.訳書にいずれもフランシス・フクヤマ『政治の起源』講談社,2013年,『アメリカの終わり』講談社,2006年がある.
1951年埼玉県生まれ.東京外国語大学英米語学科卒業後,共同通信社入社.ジュネーブ支局長・ワシントン支局長・論説委員長などを歴任,現在,共同通信社客員論説委員,青山学院大学地球社会共生学部教授.著書に『増補改訂版追跡・アメリカの思想家たち』中公文庫,2016年,『トランプ現象とアメリカ保守思想――崩れ落ちる理想国家』左右社,2016年,『戦争を始めるのは誰か――湾岸戦争とアメリカ議会』講談社現代新書,1994年.訳書にいずれもフランシス・フクヤマ『政治の起源』講談社,2013年,『アメリカの終わり』講談社,2006年がある.
書評情報
読売新聞(朝刊) 2018年1月22日