富山市議はなぜ14人も辞めたのか

政務活動費の闇を追う

政務活動費の不正でドミノ辞職! 白紙領収証問題の大スクープはいかにして生まれたのか.迫真のルポ.

富山市議はなぜ14人も辞めたのか
著者 チューリップテレビ取材班
ジャンル 書籍 > 単行本 > 政治
刊行日 2017/05/25
ISBN 9784000612012
Cコード 0031
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 214頁
定価 1,980円
在庫 在庫あり

富山市議会で,数の力をバックに自らの議員報酬を増額するお手盛り条例案が可決された.それに疑問を感じた地方局の記者たちが,さまざまな圧力と闘いながら膨大な資料を分析,政務活動費の不正を暴き,ついに議員たちをドミノ辞職へと追い込んでいく.全国に波及した白紙領収証問題の大スクープはいかにして生まれたのか.迫真のルポ.

はじめに
チューリップテレビのおもな登場人物
富山市の概要

第1章 議員報酬
突然浮上した議員報酬引き上げ/主導者・自民党中川市議にインタビュー/報酬等審議会がスタート/審議会は非公開/答申は「万円引10き上げは妥当」/ニュースで放送、攻防が始まる/審議会の議事録を情報公開請求/居眠り議員を事務局が擁護/居眠り議員の映像を放送/新聞記者のメモを奪う/委員会採決へ/報酬引き上げを本会議で可決/再び中川市議と対決/市長は「制度論でのコメント」/取材妨害で中川市議が釈明

第2章 ドンの不正を暴く
もうひとつの情報公開請求の葛藤/情報公開請求が議員に漏れているのではという不安が……/2013年度分・4300枚を入手/議員名のない領収証、難航する作業/情報収集/中川市議不正の有力情報/中川市議不正の証拠探しに着手/公民館の取材へ/開いていなかった市政報告会/参加人数と会場の収容キャパの矛盾

第3章 Xデー
朝6時、中川市議の自宅で張り込み/「場所が違うだけで報告会は開いた」/やはり会合は開かれていない/ついに放送へ/中川市議が失踪/議員辞職/記者会見

第4章 辞職ドミノ
印刷会社社長の証言/広報紙から探る/中川元市議の弟分市議の不正をスクープ/開いたパンドラの箱/笹木市議の領収証書き換えをオンエアー/抜いて抜かれて/民政クラブのウワサ/高田市議の不正をスクープ/高田市議を直撃/民政クラブが崩壊状態に/辞職ラッシュで議会が自主解散を検討/議長が辞職へ――/カラ出張/岡村市議を自宅で直撃/翌日も辞職記者会見/『ニュース23』と『報道特集』で放送/とまらない辞職ドミノ/自民党会派会長市議の「不適切処理」

第5章 情報漏洩
直接の謝罪、馴れ合いの結末/隠し通そうとした教育委員会/鈍感な教育長

第6章 その後の議会
補欠選挙/補欠選挙直後に辞職した市議/10万円の報酬増、白紙撤回へ/議会改革/その一方で黒塗りが増える/みそぎは終わった? 4月の選挙に出馬表明/新たな不正、次々に発覚――/市田元議長が出馬取り止め/追記

富山市の政務活動費をめぐる動き
富山市議会会派の構成
富山市議会の党派構成の変化
富山市議会議員選挙の投票率

あとがき

解説
瑞々しい記者たちのパワー……金平茂紀
ローカル・メディアによる問題提起……音好宏
チューリップテレビ取材班
チューリップテレビは,富山県を放送エリアにするTBS系列局.1990(平成2)年開局.従業員73人(2017年4月現在).本社所在地は高岡市,富山市に放送センター.2016年6月の富山市議会の議員報酬の引き上げに端を発する,政務活動費の不正取得にともなう議員辞職事件の報道により,JNN大賞を受賞.2017年度日本記者クラブ賞特別賞.また,一連の報道をまとめたドキュメンタリー番組『はりぼて〜腐敗議会と記者たちの攻防〜』でJNNネットワーク大賞を受賞.本書は,事件の発端から現在までを描いた書き下ろしである.取材チームの面々については,本書に掲載した「チューリップテレビのおもな登場人物」を参照.

書評情報

日本経済新聞(朝刊) 2017年9月9日
女性のひろば 2017年10月号
GALAC(ぎゃらく) 2017年9月号
週刊エコノミスト 2017年8月1日号
長崎新聞 2017年7月30日
琉球新報 2017年7月9日
週刊東洋経済 2017年7月22日号
東奥日報 2017年7月16日
週刊朝日 2017年7月7日号
山梨日日新聞 2017年7月9日
福島民友 2017年7月8日
日本経済新聞(朝刊) 2017年7月8日
月刊 民放 2017年7月号
ZAITEN(財界展望) 2017年8月号
週刊新潮 2017年7月7日号
読売新聞(朝刊) 2017年6月15日
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