実用的な過去

実用的な過去
著者 ヘイドン・ホワイト , 上村 忠男 監訳
ジャンル 書籍 > 単行本 > 哲学
刊行日 2017/10/27
ISBN 9784000612289
Cコード 0010
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 302頁
定価 3,300円
在庫 在庫あり
大著『メタヒストリー』で歴史学界に衝撃を与えた著者は,同時に,その歴史理論が事実とフィクションの区別を相対化するものであり,ホロコーストのような「限界に位置する出来事」の表象においては「真実」を歪めてしまうという厳しい批判にさらされた.本書は,ホロコーストの表象可能性について思索を重ねた著者が辿りついた,「実用的な過去」という概念と,歴史叙述の方法論を詳述した最新論文集である.ホワイト歴史学の到達点.
序 言

第1章 実用的な過去
第2章 真実と環境――ホロコーストについて(何かを語りうるとして)何が正しく語りうるのか
第3章 歴史的な出来事
第4章 コンテクスト主義と歴史的理解
第5章 歴史的言述と文学理論

後 記
【付録】歴史的真実,違和,不信

【監訳者解説】ホロコーストをどう表象するか――「実用的な過去」の見地から

監訳者あとがき
人名索引
ヘイドン・ホワイト(HaydenWhite)
1928年生まれ.アメリカの歴史家・批評家.カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校名誉教授.
邦訳された作品に,世界中で大きな反響を呼んだ『メタヒストリー――19世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力』(原著1973年,邦訳:岩崎稔監訳,作品社,2017年)のほか,『歴史の喩法――ホワイト主要論文集成』(日本語版オリジナル,上村忠男編訳,作品社,2017年)などがある.

上村忠男(うえむら ただお)
序言,第2章,第5章,後記,付録担当
1941年生まれ.東京外国語大学名誉教授.専門は学問論,思想史.著書に,『歴史家と母たち――カルロ・ギンズブルグ論』(未來社,1994年),『知の棘――歴史が書きかえられる時』(岩波書店,2010年),『ヴィーコ論集成』(みすず書房,2017年)ほか.訳書に,『アウシュヴィッツの残りのもの――アルシーヴと証人』(ジョルジョ・アガンベン著,共訳,月曜社,2001年),『歴史を逆なでに読む』(カルロ・ギンズブルグ著,みすず書房,2003年),『新しい学1~3巻』(ジャンバッティスタ・ヴィーコ著,法政大学出版局,2007‒08年)ほか多数.

書評情報

図書新聞 2018年3月10日
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