小沢健二の帰還

19年前,小沢健二はどうして日本から突然姿を消したのか? 2017年の華々しい復活劇に到るまでの,その知られざる軌跡を探る.

小沢健二の帰還
著者 宇野 維正
ジャンル 書籍 > 単行本 > 評論・エッセイ
刊行日 2017/11/28
ISBN 9784000612364
Cコード 0095
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 222頁
定価 1,870円
在庫 在庫あり
2017年,日本の音楽シーンの最前線に「帰還」し,再び熱狂的な支持を集めている小沢健二.19年前,どうして彼は表舞台から突然姿を消し,NYへと旅立ったのか? 「空白の時代」にいったいどのような活動や放浪や思索がなされてきたのか? 小沢健二が残してきた知られざるすべての資料を読み解き,この稀代のトリックスターの驚きの軌跡を探る.
はじめに

第一章 小沢健二はどうしてニューヨークに旅立ったのか
「無色の混沌」
本当のラスト・シングルは「ある光」だった
二〇年後の証言
天才バカボン、二階堂ふみ、マーヴィン・ゲイ

第二章 『Eclectic』の衝撃
国際電話からの肉声
消えたブログ
「日本人がやってる音楽をR&Bと呼ぶほど僕はナイーブではない」
セクシャル・ヒーリング
いくつかの喪失
9・11の影

第三章 『LIFE』の鏡像としての『刹那』
Jay-Zとの極秘来日
ヒットチャートと小沢健二
ベスト・アルバムから『LIFE』シーズン2への急転換

第四章 南米からの報せ――「うさぎ!」と『毎日の環境学』
物語作家としての出発点
『毎日の環境学』は異色作ではない
小沢健二はどこにいたのか
「環境学」という言葉が与えた誤解

第五章 『おばさんたちが案内する未来の世界』が蒔いた種
ネットから遠く離れて
口承文芸としての映画体験
小沢健二は生きていた

第六章 「ひふみよ」ツアー、その驚きと必然
オフィシャル・サイト始動
文章を書くこと、他のすてきなこと
「アートという罠:アートではなく」、スーザン・ソンタグの熊
「この街の大衆音楽の一部であることを誇りに思います」
「失われしもの」への誓い

第七章 小沢健二と東京――「東京の街が奏でる」公演
ネットでの生中継
「一番簡単なことはCDを出し続けることでした」
壊れてしまったかつての天才たち
「「みなさん」の話は禁句」

第八章 帰還前夜の「魔法的」ツアー
ゲリラ告知からの本人登場
「うさぎ!」のブギーバック論
俺と僕、僕、「 」、我、そして僕

第九章 二〇一七年の小沢健二
帰ってきたポップ・スター
「流動体について」に「ある光」が溶けた瞬間
「ちゃんと食べること 眠ること」

おわりに
宇野維正(うの これまさ)
1970年,東京都生まれ.映画・音楽ジャーナリスト.上智大学文学部フランス文学科卒業.音楽誌,映画誌などの編集部を経て,2008年に独立.「リアルサウンド映画部」で主筆を務めるほか,ファッション誌や各主要ウェブメディアに多数の連載を持つ.著書に『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書),『くるりのこと』(くるりとの共著,新潮社).

書評情報

図書新聞 2018年4月14日
山形新聞 2018年2月11日
中國新聞 2018年2月4日
EYESCREAM 2018年2月号(No.163)
TV Bros. 2018年1月27日-2月9日号
AERA 2018年1月22日号
PRESIDENT WOMAN 2018年2月号(VOL.34)
週刊読書人 2017年12月8日
日本経済新聞(夕刊) 2017年12月7日
ダ・ヴィンチ 2018年1月号
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