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2018.06.20
聖と俗
分断と架橋の美術史
宗教改革がもたらした西洋美術の大断層と,その亀裂に浸透していった美術家たちの水脈をたどる論集.
宗教改革がもたらした西洋美術の大断層と,その亀裂に浸透していった美術家たちの水脈をたどる論集.権力と野合したバロック芸術隆盛の一方で,日本など欧州の外に流布された祈りの表象型はどのように変容し,現在にも継承されていったのか.欲望,願い――人が美術を必要とする,その真髄を探求するあらたな試み.
序 聖俗の分断――宗教改革と美術
イコノクラスム
世俗ジャンルの隆盛
カトリック改革
カラヴァッジョとバロック美術
近代美術の聖性
Ⅰ バロックの聖とイメージ
聖俗の食卓――近世ミラノ美術の水脈
《最後の晩餐》の模倣と継承
神聖な行為としての食事
写実主義への展開
レオナルドの鉱脈――ミラノ派からカラヴァッジョへ
レオナルドの衝撃
レオナルド派の形成
古典主義
自然描写と静物画
明暗表現とサヴォルド
肩越しの視線
ヴァザーリとカトリック改革
カトリック改革の影響
ヴァザーリの制作活動
晩年のヴァザーリ
王権のイリュージョン――バロック的装飾と宮殿
教皇権の二面性
聖性の表徴
ネポティズムの凱歌
アポテオシスへの変容
Ⅱ 日本の聖と俗
展示と秘匿
聖像の展示
聖体の機能
カトリック改革の美術政策
画像展示のプロパガンダ
顕現と隠伏
発酵するイコン――かくれキリシタン聖画考
「お掛け絵」の特質
「真人図」の問題
殉教の愉悦――聖セバスティアヌス,レーニ,三島
聖セバスティアヌスとその図像伝統
グイド・レーニ以降の聖セバスティアヌス
三島の嗜好
Ⅲ 聖と死
召命と否認――伝サラチェーニ《聖ペテロの否認》をめぐって
ペンショナンテ・デル・サラチェーニ問題
カラヴァッジョ周辺の同主題作品
壁に描かれた煤
カラヴァッジェスキにおける召命と否認
アンディ・ウォーホル作品における聖と俗
世俗性と宗教性
自己消去と他者依存
イコンとしての美術
供養と奉納――エクス・ヴォート,追悼絵馬,遺影
はじめに――エクス・ヴォートと絵馬
1 追悼のエクス・ヴォート
アルトエッティンクのエクス・ヴォート/トーテンターフェル
2 冥婚の造形
ムカサリ絵馬/供養人形
3 絵馬から遺影へ
供養絵額/遺影への移行
4 遺影と墓
江戸の追悼画/モーニング・ピクチャーと遺影/墓の機能
おわりに――悲哀の造形
注
あとがき
イコノクラスム
世俗ジャンルの隆盛
カトリック改革
カラヴァッジョとバロック美術
近代美術の聖性
Ⅰ バロックの聖とイメージ
聖俗の食卓――近世ミラノ美術の水脈
《最後の晩餐》の模倣と継承
神聖な行為としての食事
写実主義への展開
レオナルドの鉱脈――ミラノ派からカラヴァッジョへ
レオナルドの衝撃
レオナルド派の形成
古典主義
自然描写と静物画
明暗表現とサヴォルド
肩越しの視線
ヴァザーリとカトリック改革
カトリック改革の影響
ヴァザーリの制作活動
晩年のヴァザーリ
王権のイリュージョン――バロック的装飾と宮殿
教皇権の二面性
聖性の表徴
ネポティズムの凱歌
アポテオシスへの変容
Ⅱ 日本の聖と俗
展示と秘匿
聖像の展示
聖体の機能
カトリック改革の美術政策
画像展示のプロパガンダ
顕現と隠伏
発酵するイコン――かくれキリシタン聖画考
「お掛け絵」の特質
「真人図」の問題
殉教の愉悦――聖セバスティアヌス,レーニ,三島
聖セバスティアヌスとその図像伝統
グイド・レーニ以降の聖セバスティアヌス
三島の嗜好
Ⅲ 聖と死
召命と否認――伝サラチェーニ《聖ペテロの否認》をめぐって
ペンショナンテ・デル・サラチェーニ問題
カラヴァッジョ周辺の同主題作品
壁に描かれた煤
カラヴァッジェスキにおける召命と否認
アンディ・ウォーホル作品における聖と俗
世俗性と宗教性
自己消去と他者依存
イコンとしての美術
供養と奉納――エクス・ヴォート,追悼絵馬,遺影
はじめに――エクス・ヴォートと絵馬
1 追悼のエクス・ヴォート
アルトエッティンクのエクス・ヴォート/トーテンターフェル
2 冥婚の造形
ムカサリ絵馬/供養人形
3 絵馬から遺影へ
供養絵額/遺影への移行
4 遺影と墓
江戸の追悼画/モーニング・ピクチャーと遺影/墓の機能
おわりに――悲哀の造形
注
あとがき
宮下規久朗(みやした きくろう)
1963年名古屋市生まれ.東京大学文学部卒業,同大学院修了.現在,神戸大学大学院人文学研究科教授,美術史家.2005年『カラヴァッジョ 聖性とヴィジョン』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞,地中海学会ヘレンド賞を受賞.他の著書に,『バロック美術の成立』『イタリア・バロック――美術と建築』(以上,山川出版社),『カラヴァッジョ』(小学館),『食べる西洋美術史――「最後の晩餐」から読む』『ウォーホルの芸術――20世紀を映した鏡』『美術の力――表現の原点を辿る』(以上,光文社新書),『カラヴァッジョへの旅――天才画家の光と闇』(角川選書),『刺青とヌードの美術史――江戸から近代へ』(NHKブックス),『カラヴァッジョ巡礼』(新潮社),『モチーフで読む美術史』『しぐさで読む美術史』(以上,ちくま文庫),『闇の美術史 カラヴァッジョの水脈』『ヴェネツィア 美の都の一千年』(以上,岩波書店)など多数.
1963年名古屋市生まれ.東京大学文学部卒業,同大学院修了.現在,神戸大学大学院人文学研究科教授,美術史家.2005年『カラヴァッジョ 聖性とヴィジョン』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞,地中海学会ヘレンド賞を受賞.他の著書に,『バロック美術の成立』『イタリア・バロック――美術と建築』(以上,山川出版社),『カラヴァッジョ』(小学館),『食べる西洋美術史――「最後の晩餐」から読む』『ウォーホルの芸術――20世紀を映した鏡』『美術の力――表現の原点を辿る』(以上,光文社新書),『カラヴァッジョへの旅――天才画家の光と闇』(角川選書),『刺青とヌードの美術史――江戸から近代へ』(NHKブックス),『カラヴァッジョ巡礼』(新潮社),『モチーフで読む美術史』『しぐさで読む美術史』(以上,ちくま文庫),『闇の美術史 カラヴァッジョの水脈』『ヴェネツィア 美の都の一千年』(以上,岩波書店)など多数.
書評情報
山陰新聞 2018年9月23日
週刊読書人 2018年9月21日
徳島新聞 2018年8月19日
日本経済新聞(朝刊) 2018年8月18日
読売新聞(朝刊) 2018年8月5日
産経新聞 2018年8月3日
芸術新潮 2018年8月号
愛媛新聞 2018年7月22日
新潟日報 2018年7月22日
山梨日日新聞 2018年7月22日
朝日新聞(朝刊) 2018年7月21日
美術の窓 2018年8月号
週刊読書人 2018年9月21日
徳島新聞 2018年8月19日
日本経済新聞(朝刊) 2018年8月18日
読売新聞(朝刊) 2018年8月5日
産経新聞 2018年8月3日
芸術新潮 2018年8月号
愛媛新聞 2018年7月22日
新潟日報 2018年7月22日
山梨日日新聞 2018年7月22日
朝日新聞(朝刊) 2018年7月21日
美術の窓 2018年8月号