人間の学としての民法学 1 構造編:規範の基層と上層

市民のものとしての民法,より良い社会を求めるための民法学を考えるために.

人間の学としての民法学 1 構造編:規範の基層と上層
著者 大村 敦志
ジャンル 書籍 > 単行本 > 法律
刊行日 2018/07/27
ISBN 9784000612807
Cコード 0032
体裁 A5 ・ 並製 ・ カバー ・ 214頁
定価 2,640円
在庫 在庫あり
今日,裁判規範としての判例重視,社会問題への関心の希薄化が民法学の中で進んでいるのではないか? 一方,一般市民には「法律離れ」が生じているように見える. 社会に存在する市民のものとしての民法,社会の改良を目的とする民法学を改めて考えるために.1部では,民法学とほかの学問領域の異同に焦点を合わせる.
はじめに――民法学の可視化のために

序 章 いま,なぜ民法学か?――対象の性質と現在の課題
 第1節 民法か民法学か――英語・英語学と対比して
 第2節 ポスト司法制度改革の民法学――いま何が起きているのか?

第1章 社会と規範――基礎研究としての民法学
 第1節 規範学としての民法学――デュルケム社会学と進化経済学
 第2節 モデルとしてのローマ法――19 世紀のドイツと21世紀の日本
 第3節 外国における法学革新の影響――法社会学と法の経済分析
 第4節 日本民法学の成果――「所有権法の理論」と「近代法における債権の優越的地位」

第2章 規範と適用――応用研究としての民法学
 第1節 法的推論――「民法における論理と利益衡量」
 第2節 「解釈論」の位相――「近代法のあり方」と「祈りの心」
 第3節 判決と法規範――正義と法秩序の間で
 第4節 法規範の形成――立法学・法政策学の系譜

結 章 再び,いま,なぜ民法学か?――環境の変化と目的の再定位
 第1節 社会学・マネジメントとの関係――新しい科学学派は必要か?
 第2節 「人間=社会」と民法学――誰のための民法学か?

補 論 教養とメチエの間で――学際から「能際」へ
付 録

あとがき――「民法学」を諦めない

索 引
大村敦志(おおむら あつし)
1958年 千葉県生まれ
1982年 東京大学法学部卒業
現在―東京大学法学部教授
専攻―民法
著書―『民法総論』(岩波書店)/『父と娘の法入門』(岩波ジュニア新書)/『ルールはなぜあるのだろう――スポーツから法を考える』(岩波ジュニア新書)/『民法改正を考える』(岩波新書)/『穂積重遠社会教育と社会事業とを両翼として』(ミネルヴァ書房)/『民法学を語る』(有斐閣,共著)/『広がる民法1 入門編』(有斐閣)ほか多数
ページトップへ戻る