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パウロ

十字架の使徒

パウロなくして今日のキリスト教はない.その波乱の生涯をたどり,「最初の神学者」の思想の核心をさぐる.

パウロ
著者 青野 太潮
通し番号 新赤版 1635
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 宗教
日本十進分類 > 哲学/心理学/宗教
刊行日 2016/12/20
ISBN 9784004316350
Cコード 0216
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 206頁
在庫 在庫僅少

キリスト教の礎を築き,世界宗教への端緒をひらいたパウロ(紀元前後─60年頃).この人物なくして,今日のキリスト教はないと言っても過言ではない.アウグスティヌス,ルターに多大な影響を与えたといわれる,パウロの「十字架の逆説」とは何か.波乱と苦難の生涯をたどり,「最初の神学者」の思想の核心をさぐる.

まえがき

第1章 パウロの生涯
 生い立ち/謎の青年時代/迫害者/復活のイエス/ガリラヤか、エルサレムか/回心/アラビアでの宣教/エルサレムへの上京/使徒会議/伝道の旅へ/コリント教会/最後の旅

第2章 パウロの手紙
 1 正典としてのパウロの手紙
 2 パウロの手紙はどう読まれたか
 伝道のための手紙/朗読される手紙/複製される手紙/マルキオンの正典
 3 七つの真筆の手紙
 テサロニケ人への第一の手紙/コリント人への第一の手紙/コリント人への第二の手紙/ガラテヤ人への手紙/フィリピ人への手紙/フィレモンへの手紙/ローマ人への手紙

第3章 十字架の神学
 1 イエスの最期
 パウロは何が許せなかったのか/心の内に現われたイエス/イエスの最期についての資料/ 「十字架の神学」の核心
 2 十字架につけられたままのキリスト
 生き続けるイエス/イエスの殺害/十字架の逆説/十字架刑の残酷さ/ 「十字架につけられたまま」とは何か
 3 呪いこそ解放、そして祝福
 律法の呪いからの贖い出し/ 「十字架」と「死」の区別/ 「贖罪」とは何か/ 「義なる方」である神/律法とは何か/罪とは何か
 4 「弱さ」を生きる
  「弱さこそ強さ」という逆説/両面作戦を戦う/異邦人の告白の逆説/弱さゆえの十字架/正反対のパウロ?/イエスの言葉の反映/ 「強い」生き方への警鐘

第4章 パウロの思想と現代
 1 パウロの思想の影響
 再発見者たち/アウグスティヌス/マルティン・ルター/カール・バルト
 2 神の啓示をめぐって
 3 イエスの贖罪をめぐって
 イエスの叫び/贖罪論の危うさ/ 「犠牲」について/ルカの誤解/イエスの福音の中心

あとがき
青野太潮 (あおのたしお)
 1942年静岡県生まれ
 国際基督教大学,東京大学大学院を経て,スイス・チューリッヒ大学神学部博士課程修了,神学博士号(Dr. theol.)取得
 現在─西南学院大学名誉教授,平尾バプテスト教会協力牧師,日本新約学会会長(2009年─)
 専攻─新約聖書学,最初期キリスト教史
 著書─『「十字架の神学」の成立』(ヨルダン社/新教出版社),『「十字架の神学」の展開』『「十字架の神学」をめぐって』『最初期キリスト教思想の軌跡』(ともに新教出版社),『パウロ書簡』『聖書を読む 新約篇』(ともに岩波書店),『どう読むか,聖書』(朝日選書),『「十字架につけられ給ひしままなるキリスト」』(コイノニア社/新教出版社)ほか

書評情報

図書新聞 2017年6月3日
西日本新聞 2017年2月19日
週刊文春 2017年2月9日号

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