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ルイ・アルチュセール

行方不明者の哲学

現代思想を代表するマルクス主義理論家か,妻を殺めた狂気の人か.知られざるアルチュセールの哲学.

ルイ・アルチュセール
著者 市田 良彦
通し番号 新赤版 1738
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 哲学・思想
刊行日 2018/09/20
ISBN 9784004317388
Cコード 0210
体裁 新書 ・ 254頁
在庫 在庫あり
現代思想を代表するマルクス主義理論家か、妻を殺めた狂気の人か。光と闇の落差がもたらす眩暈のなかに哲学者は姿をくらます。彼にとっては,「行方不明になる」ことが「政治」であった――知られざるアルチュセール(1918―90)の哲学が、「スピノザを読むアルチュセールを読む」というかつてない試みを通して浮かび上がる。
目 次

第一章 行方不明者の生涯
 一 理論と経験
 二 落差と眩暈――青年期
 三 二股をかける哲学者――壮年期
 四 危機の炸裂――一九七棚年代以降

第二章 偶然性唯物論とスピノザ――問題の「凝固」
 一 偶然性唯物論――晩年の思想?
 二 構造とはなにか
 三 「錯乱」と「狂気」
 四 経験主義

第三章 『資本論を読む』またはスピノザを読む
 一 アルチュセールのスピノザ
 二 徴候的読解とはなにか
 三 神の背中――哲学と宗教
 四 「われわれ」は「狂って」いる

第四章 構造から〈私〉と国家へ
 一 「錯乱」するアルチュセール
 二 原因の劇場
 三 「イデオロギーと国家のイデオロギー装置」再考
 四 〈私〉と国家

第五章 スピノザから遠く離れて
 一 『神学政治論』でも『政治論』でもなく
 二 哲学,政治,歴史
 三 起源,深淵,個人/狂人――フーコーと共闘する
 四 国家の政治――フーコーと対立する
 五 自伝という「政治」――「佐川くん」にならずピエール・リヴィエールになるために

本書において使用した文献
謝 辞
市田良彦(いちだ よしひこ)
1957年生まれ.神戸大学大学院国際文化学研究科教授.著書に,『存在論的政治――反乱・主体化・階級闘争』(航思社),『革命論――マルチチュードの政治哲学序説』『アルチュセール ある連結の哲学』『闘争の思考』(以上,平凡社),『ランシエール 新〈音楽の哲学〉』(白水社)など.訳書にルイ・アルチュセール『終わりなき不安夢――夢話1941‒1967(附:二人で行われた一つの殺人)』(書肆心水),『哲学においてマルクス主義者であること』(航思社),『政治と歴史――エコール・ノルマル講義 1955‒1972』(共訳,平凡社),『哲学・政治著作集』全2巻(共訳,藤原書店)など.

書評情報

日本経済新聞(朝刊) 2018年11月17日
朝日新聞(朝刊) 2018年10月20日

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