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2018.09.01
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『失われた時を求めて』への招待
無二の大長編は、なにを、どのように語っているのか。全訳を達成した第一人者によるスリリングな解説書。
岩波文庫版『失われた時を求めて』(全14冊)の完訳を達成したプルースト研究第一人者が作品の核心に迫る解説書。この不世出の大長編は、なにを、どのように語った作品なのか。全体の構成、特長、勘所を分かりやすく読み解く。魅惑の読書体験へといざない、全篇読破に挑戦する人には力強い羅針盤となるスリリングな一冊。
はしがき
『失われた時を求めて』の構成
『失われた時を求めて』の主な登場人物と架空地名
第1章 プルーストの生涯と作品
1 プルーストの生涯
2 初期作品――――『楽しみと日々』、『ジャン・サントゥイユ』、ラスキン翻訳
3 『サント=ブーヴに反論する』から『失われた時を求めて』へ
第2章 作中の「私」とプルースト――一人称小説の狙い
1 『失われた時を求めて』の「私」はプルーストなのか
2 主人公の「私」はなぜ影の薄い人間なのか
3 語り手の「私」に寄りそう作者プルースト
第3章 精神を描くプルースト――回想、印象、比喩
1 『失われた時を求めて』はすべて「私」の回想談
2 マドレーヌ体験の意味――無意志的記憶とはなにか
3 印象の記述になぜ比喩が多用されるのか
第4章 スワンと「私」の恋愛心理
1 「スワンの恋」はなぜ必要なのか
2 「私」のジルベルトとアルベルチーヌへの恋
3 スワンと「私」に内在する分身の声
第5章 無数の自我、記憶、時間
1 恋愛における無数の自我
2 自我はつねに無数
3 記憶と時間
第6章 「私」が遍歴する社交界
1 ゲルマント公爵夫妻のサロン
2 本作品における社交サロンの意味
3 全篇の中心を占める祖母の病気と死
第7章 「私」とドレフュス事件および第一次大戦
1 ドレフュス事件はいかに語られるか
2 第一次大戦はいかに語られるか
3 社会はなにゆえ変容するのか
第8章 「私」とユダヤ・同性愛
1 「私」とユダヤ人
2 「私」と「ソドムとゴモラ」
3 ソドムとゴモラの「結合」
第9章 サドマゾヒズムから文学創造へ
1 ソドムとゴモラにまつわるサドマゾヒスト
2 『失われた時を求めて』に頻出するサドマゾヒスト
3 文学に必要不可欠なサドマゾヒズム
第10章 「私」の文学創造への道
1 登場人物たちの愛する文学・芸術
2 三人の架空芸術家
3 『失われた時を求めて』の照射するもの
あとがき
【地図】プルーストと『失われた時を求めて』のパリ
『失われた時を求めて』年表/プルースト略年譜
主要文献案内
図版出典一覧
『失われた時を求めて』の構成
『失われた時を求めて』の主な登場人物と架空地名
第1章 プルーストの生涯と作品
1 プルーストの生涯
2 初期作品――――『楽しみと日々』、『ジャン・サントゥイユ』、ラスキン翻訳
3 『サント=ブーヴに反論する』から『失われた時を求めて』へ
第2章 作中の「私」とプルースト――一人称小説の狙い
1 『失われた時を求めて』の「私」はプルーストなのか
2 主人公の「私」はなぜ影の薄い人間なのか
3 語り手の「私」に寄りそう作者プルースト
第3章 精神を描くプルースト――回想、印象、比喩
1 『失われた時を求めて』はすべて「私」の回想談
2 マドレーヌ体験の意味――無意志的記憶とはなにか
3 印象の記述になぜ比喩が多用されるのか
第4章 スワンと「私」の恋愛心理
1 「スワンの恋」はなぜ必要なのか
2 「私」のジルベルトとアルベルチーヌへの恋
3 スワンと「私」に内在する分身の声
第5章 無数の自我、記憶、時間
1 恋愛における無数の自我
2 自我はつねに無数
3 記憶と時間
第6章 「私」が遍歴する社交界
1 ゲルマント公爵夫妻のサロン
2 本作品における社交サロンの意味
3 全篇の中心を占める祖母の病気と死
第7章 「私」とドレフュス事件および第一次大戦
1 ドレフュス事件はいかに語られるか
2 第一次大戦はいかに語られるか
3 社会はなにゆえ変容するのか
第8章 「私」とユダヤ・同性愛
1 「私」とユダヤ人
2 「私」と「ソドムとゴモラ」
3 ソドムとゴモラの「結合」
第9章 サドマゾヒズムから文学創造へ
1 ソドムとゴモラにまつわるサドマゾヒスト
2 『失われた時を求めて』に頻出するサドマゾヒスト
3 文学に必要不可欠なサドマゾヒズム
第10章 「私」の文学創造への道
1 登場人物たちの愛する文学・芸術
2 三人の架空芸術家
3 『失われた時を求めて』の照射するもの
あとがき
【地図】プルーストと『失われた時を求めて』のパリ
『失われた時を求めて』年表/プルースト略年譜
主要文献案内
図版出典一覧
吉川一義(よしかわ かずよし)
1948年、大阪市生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学。パリ・ソルボンヌ大学博士。京都大学名誉教授。
著書─『プルースト美術館』(筑摩書房)、『プルーストの世界を読む』(岩波書店)、『プルーストと絵画』(同上)、Proust et l'art pictural(Champion、バルベック=カブール・プルースト文学サークル文学賞、日本学士院賞・恩賜賞)、『対訳 フランス語で読む「失われた時を求めて」』(白水社)、Relire, repenser Proust(Éditions du Collège de France)
共編著─Index général de la Correspondance de MarcelProust(京都大学学術出版会)、『ディコ仏和辞典』(白水社)
翻訳─バレス『グレコ──トレドの秘密』(筑摩書房)、タディエ『評伝プルースト』(筑摩書房)、プルースト『失われた時を求めて』(岩波文庫、日仏翻訳文学賞特別賞)ほか
1948年、大阪市生まれ。東京大学大学院博士課程満期退学。パリ・ソルボンヌ大学博士。京都大学名誉教授。
著書─『プルースト美術館』(筑摩書房)、『プルーストの世界を読む』(岩波書店)、『プルーストと絵画』(同上)、Proust et l'art pictural(Champion、バルベック=カブール・プルースト文学サークル文学賞、日本学士院賞・恩賜賞)、『対訳 フランス語で読む「失われた時を求めて」』(白水社)、Relire, repenser Proust(Éditions du Collège de France)
共編著─Index général de la Correspondance de MarcelProust(京都大学学術出版会)、『ディコ仏和辞典』(白水社)
翻訳─バレス『グレコ──トレドの秘密』(筑摩書房)、タディエ『評伝プルースト』(筑摩書房)、プルースト『失われた時を求めて』(岩波文庫、日仏翻訳文学賞特別賞)ほか