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ファンタジーが生まれるとき

『魔女の宅急便』とわたし

「不思議」はあなたのすぐそばにある!『魔女の宅急便』の作者が創作の秘密を語る自伝的エッセイ.

ファンタジーが生まれるとき
著者 角野 栄子
通し番号 ジュニア新書 492
ジャンル 書籍 > 岩波ジュニア新書 > 国語・文学
刊行日 2004/12/21
ISBN 9784005004928
Cコード 0291
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 184頁
在庫 在庫僅少

「想像力」,それは人であればだれでも持っている魔法だ.ご存じ『魔女の宅急便』の作者が,幼いころからの体験と重ねながら,みずからの童話作家としての歩みと創作のひみつを語ります.水平線という一本の線の魔法,主人公の名前のちから,物語のとびらが開く瞬間のこと…….あなたのすぐ隣にある不思議に気づかせてくれます.


■内容紹介
 アニメ映画化され大ヒットした『魔女の宅急便』.角野栄子さんが描く原作の方では,すでに四冊目までが刊行され,あのかわいい魔女のキキは17歳になりました.空を飛べる,というたった一つの魔法で,いろいろな体験を積みかさね成長していくキキ.『ファンタジーが生まれるとき』は,そんなすてきな物語をつむぎだす童話作家の自伝的エッセイです.
 幼い頃にお母さんを亡くしてから「むこうの世界」を強く意識するようになったこと.ブラジルへの船旅で毎日毎日水平線のかなたに目をこらし何かが現れるのを待っていたこと.そして窓をあけたその瞬間に吹き込んだ風の魔法…….そんな体験のひとつひとつが,どんなふうに角野さんの物語に入り込んでいるのか,創作の秘密も語られます.
 いま世の中は,きらびやかな魔法がつぎつぎ飛び出す大仕掛けなファンタジーが大流行.「そんな作品も,いつかは書いてみたい.だけど……」という角野さん.「だけど……」のつづきにある角野さんのファンタジーへの思いを,この本を通して感じとってください.
 あなたの日常のなかにも,「不思議」のとびらが開けられるのを待っているかもしれません.ちょっと目をこらしてみれば,ほんのちょっとの想像力を働かせてみれば,あなたにもきっと見えるはずです.

*角野栄子さんの公式ホームページは、
 http://home4.highway.ne.jp/kiki/ です。

1空想の世界
  自分を救う力/人さらい
2私の本棚
  父のひざのゆらぎの中で/私だけの本/「いい気持ちライン」
3むこうの世界
  宇宙船になった帽子/大きな力/壁族と柱族
4「はじめまして」と自分にいう
  効率の悪い人生/声にのって物語がたちあがる/自分のために書き続けて
5魔 女
  旅立ち/記憶の宝箱/魔女をたずねて
6物語の生まれるところ
  扉が開く瞬間/主人公の魔力
7魔女キキと私
  名前はだいじ/わけのわからない自分/不思議が動き出す
8音とことば
  窓をあけて/ルイジンニョ先生/風景のあることば

本書で紹介されたおもな本
角野栄子(かどの・えいこ)
1935年東京に生まれる.1957年早稲田大学卒業.出版社に勤務した後,1960年からブラジルに2年間滞在.1970年頃より絵本,童話の創作をはじめる.『ズボン船長さんの話』で旺文社児童文学賞,『大どろぼうプラプラ氏』で産経児童出版文化賞大賞,『魔女の宅急便』で野間児童文芸賞,小学館文学賞などを受賞している.このほか「(アッチ・コッチ・ソッチの)小さなおばけシリーズ」『なぞなぞあそびうた』『新魔女図鑑』『かいじゅうトゲトゲ』などの作品,翻訳『ねむれないの,ほんとだよ』(ガブリエラ・ケセルマン文/ノエミ・ビリャムーサ絵)などがある.

書評情報

日本教育新聞 2005年11月7日号
産経新聞(朝刊) 2005年3月7日
朝日新聞(朝刊) 2005年1月23日
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