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生きづらい明治社会

不安と競争の時代

明治とは人々にとってどんな時代だったのでしょう? 不安と競争をキーワードに明治社会を読み解きます.

生きづらい明治社会
著者 松沢 裕作
通し番号 883
ジャンル 書籍 > 岩波ジュニア新書 > 歴史
刊行日 2018/09/20
ISBN 9784005008834
Cコード 0221
体裁 新書 ・ 176頁
在庫 在庫あり
日本が近代化に向けて大きな一歩を踏み出した明治時代は,実はとても厳しい社会でした.社会が大きく変化する中,人々は必死に働き,頑張りました.厳しい競争のなかで結果を出せず敗れた人々…,そんな人々にとって明治とはどんな社会だったのでしょうか? 不安と競争をキーワードに明治社会を読み解きます.
はじめに

第一章 突然景気が悪くなる──松方デフレと負債農民騒擾
 景気変動/松方デフレ/松方デフレの影響/負債農民騒擾/江戸時代の習慣と明治の制度/須長漣造の怒り/デフレーションという不条理

第二章 その日暮らしの人びと──都市下層社会
 ドヤ街とネットカフェ/貧民窟/貧民窟のルポルタージュ/住居と家族/職業と食事/都市下層社会の特徴

第三章 貧困者への冷たい視線──恤救規則
 生活保護/恤救規則/恤救規則の制定過程/窮民救助法案の挫折

第四章 小さな政府と努力する人びと──通俗道徳
 カネのない明治政府/地租改正と減税/通俗道徳/江戸時代から明治時代へ

第五章 競争する人びと──立身出世
 日清戦争/地租の増税と地方利益誘導の政治/貧民救助論争/逃れられない「わな」/立身出世の時代

第六章 「家」に働かされる──娼妓・女工・農家の女性
 売買される女性・非正規雇用の女性/公娼制度/芸娼妓解放令/「自由意志」という建て前/「家」とは何か/「家」のために働く女性/女性の抑圧のさまざまな形

第七章 暴れる若い男性たち──日露戦争後の都市民衆騒擾
 デモと暴動/日比谷焼き打ち事件/日比谷事件後の都市民衆騒擾/なぜ若い男性は暴動をおこすか/「あえて」もまた「わな」/戦争と平和,暴力と非暴力

おわりに──現代と明治のあいだ

あとがき
参考文献
松沢裕作(まつざわ ゆうさく)
1976年東京都生まれ.1999年東京大学文学部卒業,2002年同大学院人文社会系研究科博士課程中途退学.東京大学史料編纂所助教,専修大学経済学部准教授を経て,現在,慶應義塾大学経済学部准教授.専門は日本近代史.
著書『明治地方自治体制の起源』(東京大学出版会),『町村合併から生まれた日本近代』(講談社選書メチエ),『自由民権運動』(岩波新書)ほか.

書評情報

朝日新聞(朝刊) 2018年12月27日
朝日新聞(朝刊・折々のことば) 2018年12月21日
毎日新聞(夕刊) 2018年11月4日
読売新聞(朝刊) 2018年10月21日

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