語る藤田省三

現代の古典をよむということ

ともに読み,語らい,思索する,知の冒険への誘い

語る藤田省三
著者 竹内 光浩 , 本堂 明 , 武藤 武美 , 藤田 省三
通し番号 学術363
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 政治・法律
刊行日 2017/06/16
ISBN 9784006003630
Cコード 0131
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 328頁
定価 1,540円
在庫 在庫僅少
『天皇制国家の支配原理』以来,一貫してラディカルな批評精神をもって時代状況に対峙し続けた思想史家・藤田省三.読書会や講義・講演の場で発せられた,自由な飛躍と挑発的ニュアンス,独特のリズムで切り口鮮やかに問題の本質を抉り出すその「語り」を生き生きと再現,「談論風発」の人・藤田の,書かれた著作にないもう一つの魅力を伝える.現代文庫オリジナル版.(解説=宮村治雄)
はしがきにかえて――研究会のこと、そして藤田省三「語り」の世界(本堂明)

Ⅰ 現代における「読み」のデッサン
 1 現代とはどのような時代か
 2 「古典」を読むとは――丸山眞男『現代政治の思想と行動』を素材として

Ⅱ 語る藤田省三(1)――ある読書会の記録から
  Ⅱでとりあげた作品について(武藤武美)
 1 根源的なこと――森鷗外「現代思想(対話)」を読む
   参考資料 森鷗外「現代思想(対話)」
 2 物化する世界――尾崎翠『第七官界彷徨』を読む
 3 瞬間の啓示力――ジョイス『若い芸術家の肖像』『ダブリンの市民』を読む
 4 解体と孤独の時代――ベケット『ゴドーを待ちながら』を読む
 5 「亡命」経験を生きる――ブレヒト『ガリレイの生涯』を読む

Ⅲ 語る藤田省三(2)――都市の精神史
 1 我らが同時代人・徂徠――荻生徂徠『政談』を読む
 2 「小国寡民」を求めて――カール・E・ショースキーを読む
   参考資料 カール・E・ショースキー「「都市」バーゼルと歴史家ブルクハルト」(佐々木武訳)

Ⅳ 根本問題の析出
 1 表現の根にあるもの
 2 クロスする観点をきたえる
 3 言語表現としての故事新編――転形期と表現について

あとがきにかえて(竹内光浩)

解 説(宮村治雄)
藤田省三略年譜
藤田省三(ふじた・しょうぞう)
 1927‐2003年.精神史.『藤田省三著作集』全10巻,『藤田省三対話集成』全3巻(みすず書房)など.

竹内光浩(たけうち・みつひろ)
 1947年生.日本中世史.『中世の生活空間』(共著,有斐閣),『中世成立期の歴史像』(共著,東京堂出版)など.

本堂 明(ほんどう・あきら)
 1948年生.日本近代思想史.『サラリーマン読書人の経験』(同時代社),『夢ナキ季節ノ歌』(影書房)など.

武藤武美(むとう・たけよし)
 1947年生.文芸批評.『物語の最後の王』(平凡社),『プロレタリア文学の経験を読む』(影書房)など.

書評情報

日刊ゲンダイ 2017年10月21日
信濃毎日新聞 2017年7月30日
公明新聞 2017年7月17日
読売新聞(朝刊) 2017年7月16日
週刊文春 2017年7月6日号
ページトップへ戻る