靖国神社

「殉国」と「平和」をめぐる戦後史

戦没者の「慰霊」追悼の変遷を通して,国家観・戦争観・宗教観こそが靖国神社をめぐる最大の争点であることを明快に解き明かす.

靖国神社
著者 赤澤 史朗
通し番号 学術365
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 世界史・日本史
刊行日 2017/07/14
ISBN 9784006003654
Cコード 0121
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 372頁
定価 1,562円
在庫 在庫僅少
「靖国問題」の根幹はどこにあるのか.敗戦後に標榜した「平和主義」が徐々に後退し,ついにはA級戦犯合祀に至った「慰霊」追悼の変遷をたどりながら,国家観・戦争観・宗教観こそが戦後一貫して靖国をめぐる最大の争点であることを解き明かす.外交上の軋轢や政治的対立として硬直化した議論に陥りがちな「靖国問題」を,歴史的経緯を踏まえて冷静に考察するための新たな視点を提示する.(解説=西村明)
はじめに――靖国問題の争点

第一章 戦前日本の国家と靖国神社

第二章 占領期の靖国神社
 1 敗戦直後の臨時大招魂祭
 2 神道指令と靖国神社
 3 「慰霊」の神社への転換

第三章 一九五〇年代の靖国問題
 1 戦後の平和意識と靖国神社の平和主義
 2 合祀の進展――政教分離と平和主義

第四章 靖国神社国家護持法案をめぐる攻防
 1 靖国神社国家護持法案
 2 「慰霊」の論理と批判の論理

第五章 国際化の中での靖国問題
 1 「公式参拝」実現への促迫
 2 靖国訴訟と戦争責任
 3 小泉首相参拝と新国立追悼施設論

おわりに

引用・参考文献
あとがき
岩波現代文庫版あとがき
解説 分断と二分法を超える構想力………西村明
赤澤史朗(あかざわ しろう)
1948年生まれ.早稲田大学大学院文学研究科史学専攻博士課程単位取得退学.立命館大学名誉教授.専攻は近代日本政治史・思想史.著書に『近代日本の思想動員と宗教統制』(校倉書房),『文化とファシズム』(共編著,日本経済評論社),『東京裁判ハンドブック』(共編著,青木書店),『戦没者合祀と靖国神社』(吉川弘文館)などがある.

書評情報

公明新聞 2017年8月14日
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