キッシンジャー回想録 中国 (上)

衝撃の米中和解の立役者・キッシンジャー。中国を誰よりも知り尽くした彼が綴った、決定的「中国論」。

キッシンジャー回想録 中国 (上)
著者 ヘンリー・A.キッシンジャー , 塚越 敏彦 , 松下 文男 , 横山 司 , 岩瀬 彰 , 中川 潔
通し番号 社会323
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 社会
刊行日 2021/01/15
ISBN 9784006033231
Cコード 0131
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 400頁
定価 1,694円
在庫 在庫あり
1972年、米中和解の衝撃によって世界は変わった――その立役者であるキッシンジャー。中国を誰よりも知り尽くした彼が、毛沢東から周恩来、鄧小平など中国首脳らとの長年の外交交渉経験をもとに、アヘン戦争以降の歴史から文化まで、中国の全てを論じ切った決定的「中国論」。
はじめに
地 図

序 章

第1章 中国の特異性
 中国の最盛期/儒教/国際関係の概念――公平か平等か/中国のリアルポリティクスと「孫子の兵法」

第2章 叩頭問題とアヘン戦争
 マカートニー使節団/二つの世界秩序の衝突――アヘン戦争/耆英の外交――夷狄をなだめる

第3章 優位から没落へ
 魏源の計略――「以夷制夷」、敵の戦略を学ぶ/権威の喪失――国内の反乱と海外からの侵略による挑戦/没落への対応/日本の挑戦/朝鮮/義和団事件と新たな戦国時代

第4章 毛沢東の継続革命
 毛沢東と「大同」/毛沢東と国際関係――空城計、中国的抑止、心理的優位性の追求/継続革命と中国人民

第5章 三極外交と朝鮮戦争
 アチソンと中国式チトー主義の誘惑/金日成と戦争の勃発/米国の介入――侵略への抵抗/中国の反撃――戦争抑止へのもう一つのアプローチ/米中対決

第6章 中国と両超大国との対立
 最初の台湾海峡危機/米国との外交的な幕間/毛、フルシチョフと中ソの亀裂/第二次台湾海峡危機

第7章 危機の一〇年
 大躍進/ヒマラヤ国境紛争と一九六二年の中印戦争/文化大革命/失われた好機はあったのか

第8章 和解への道
 中国の戦略/米国の戦略/最初の段階――ウスリー川での衝突

第9章 関係の再開――毛沢東、周恩来との最初の出会い
 周恩来/中国でのニクソン――毛との会談/ニクソンと周恩来の対話/上海コミュニケ/余波

原 注


【下巻目次】
第10章 擬似同盟関係――毛沢東との会話
第11章 毛沢東時代の終焉
第12章 不死身の鄧小平
第13章 「虎の尾を踏む」――第三次ベトナム戦争
第14章 レーガンの登場と正常な関係の到来
第15章 天安門
第16章 どのような改革か――鄧小平の南方視察
第17章 新たな和解へのジェットコースター――江沢民時代
第18章 新世紀
終 章 歴史は繰り返すか――クロウの覚書
解説 米中関係を構築し続ける男――「密使」から「守護者」への軌跡……………松尾文夫
訳者あとがき……………塚越敏彦
原注
ヘンリー・A.キッシンジャー(Henry A. Kissinger)
1923年ドイツ生まれ。ハーバード大学教授を経て米政権入りし、1973年から77年まで第56代国務長官を務める。1973年にノーベル平和賞を受賞。著書に『キッシンジャー秘録』全5巻(斎藤彌三郎ほか訳、小学館、1979‒80年)、『外交』上・下(岡崎久彦監訳、日本経済新聞社、1996年)など多数。


〈訳者紹介〉

塚越敏彦
1947年生まれ。共同通信社上海支局長、北京支局長、編集局次長、社団アジア地区総代表、KK国際情報センター長などを歴任。共訳書に『東と西』(クリス・パッテン著、共同通信社、1998年)、『台湾の四十年――国家経済建設のグランドデザイン』上・下(高希均・李誠編、連合出版、1993年)、編著に『最新中日外来語辞典』(日中通信社、1999 年)。

松下文男
1947年生まれ。共同通信社ニューデリー支局長、ワシントン支局員、ロンドン支局員、国際局、システム局、KK共同ジャパン・ビジネス・センター編集長などを歴任。共訳書に『チリ33人――生存と救出、知られざる記録』(ジョナサン・フランクリン著、共同通信社、2011年)。

横山 司
1949年生まれ。共同通信社ナイロビ支局長、ロンドン支局員、香港支局長、外信部長、編集委員を経て退社後、翻訳家。共訳書に『チリ33人――生存と救出、知られざる記録』。

岩瀬 彰
1955年生まれ。共同通信社本社経済部、香港支局、KK共同情報編集部長、中国総局次長、編集局ニュースセンター副センター長、熊本支局長、社団アジア室編集長などを歴任。著書に『「月給百円」サラリーマン――戦前日本の「平和」な生活』(講談社現代新書、2006年)、共訳書に『東と西』。

中川 潔
1957年生まれ。共同通信社上海支局長、中国総局長、外信部長、社団アジア室長などを歴任。
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